アフリカ・ボツワナ共和国にて、京都の漫画家「しろうべえ」さんの雑誌「おかもちろう」を飛脚・加藤が日本語で現地の方々に読み聞かせを行い、「クールジャパン」の普及に努めました。
ワケがわからない!という声が大半でしたが、
その中で反応が良かったのは学園モノの作品でした。
読み聞かせをする中で、もっとも印象に残っているのはクマナという人口200人弱の村でのことです。
「おかもちろう」を担いで歩く飛脚・加藤、、、
早朝から歩き始めて7時間あまり、ようやくのことひとつの村にたどりつきました。
そこはお店も無い小さな村、、、お腹をすかせて日陰で休憩していると一人のおばちゃんが声をかけてきました。
「あんた、お腹すいてるだろ。ご飯作ってやるから10プラ(約100円)ちょうだいよ」
何なんだ唐突に、、、でもお腹すいてるし、と思い、僕は10プラを彼女に渡しました。
ニコニコ笑顔で去っていくおばちゃん。きっと家に帰って美味しいご飯を作ってくれるのでしょう。
ところが、待てども待てども彼女は戻ってきません。
「騙された!!!」
なんて単純な詐欺にひっかかったのだろう。10プラは無くなるし、お腹は満たされないし、僕はヘコみました。
まあいつまでもヘコんでてもしょうがない。仕方なく立ち上がり、村をぶらぶらしていると、集会所の周りに人だかりができています。今日は年金支給日で、みんな集まっているのだそうです。
いい感じに人が集まっているので、とりあえず食事のことは忘れ、僕は風呂敷を広げて「おかもちろう」など日本のお土産を紹介し始めます。
そうこうしていると、さっきの100円おばちゃんが相変わらずのルンルン顔で向こうからやってきます。すかさず腕をつかんで
「おい、あんた!メシはどうなったんだ!!約束したじゃないか!メシ無いんなら10プラ返せよ!!」
強い口調で訴えますが、彼女は「10プラ~10プラ~♪」と、とぼけた様子で歌い始めます。なんなんだ、このババアは。
と、そのとき、彼女は「おかもちろう」に目を留めて、「何なんだい、これは?」と話題をそらしてきます。
「これかい、日本のマンガだよ、マンガ、面白いよ」
なかなか向こうから興味を持ってくれる人は少ないので、僕もなんだか調子にのって、彼女と一緒に漫画を読みます。
彼女は他の誰よりも、じっくりと「おかもちろう」を読んでいました。
それは、本当に面白かったのか、それとも10プラのことを忘れさせたいためなのか、分かりませんでしたが、、、
しかし、読み終わると、彼女はポケットに手を突っ込み、またもやのニヤっとした笑顔で、「ほらよ」と10プラを僕に手渡したのでした。
10プラは僕の手元に戻ってきました。
何が彼女にそうさせたのか、、、?
僕の思考の範囲を明らかに越える化学反応が、「おかもちろう」と彼女の間に発生した瞬間でした。
すごいぞ、クールジャパン。
飛脚が運んだ「おかもちろう」は最終的にボツワナの地で一生を過ごすことになりました。
飛脚は「おかもちろう」の寄贈先を、自身の滞在先である「Jermy Guest House」(ボツワナ・ハボローネ市)に決定しました。
2013年10月28日、飛脚、加藤から美人フロントレディ、ポンキさんへ贈呈式を行い、本は宿のラウンジに収蔵されました。
「おかもちろう」が遠くボツワナの地で、旅人達にひとときの楽しみを提供することを期待しています!
この話には、裏話があります。
同宿と飛脚の間では、実は秘密のプロジェクトが進行しています。
それは、「Jermy Guest Houseがボツワナにおける日本人の拠点になる」というビッグプロジェクトです。2014年末までには「ハボローネ市で泊まるならJermy」というのが、日本人旅行者の間に定着している計画です。そのために飛脚は尽力しています。
同宿に「おかもちろう」が寄贈されたのもその一環で、多くの日本人が来客するJermyには、やっぱり漫画がないとね、ということで、ここに「おかもちろう」をおかせていただきました。逆に、ここで多くの日本人が「おかもちろう」を目にすることで、この本のプレゼンスも高まると予想されます。
では、なぜ飛脚はここまでJermyに肩入れするのか?
それは、私はJermyに「借りがある」からです。
ハボローネ市に到着した日、私は大きなトラブルに見舞われていました。
それは、「現金がほとんど無い」というトラブルでした。クレジットカード経由でATMからお金をおろす計画で旅行していたのですが、どのATMに行ってもお金が下ろせない、という問題に悩まされていました。不幸中の幸いでクレジットカードでのショッピングはできたので、食事も宿もクレジットの使えるところを選んでいました。
ハボローネでの宿はJermyに決めていました。ホームページを見て、居心地よさそうだし、郊外で安心そうだし、何より安いのが魅力でした。前日に予約して、行き方もばっちり教わりました。
当日、無事にJermyに着いたのは良かったのですが、そこで「クレジットが使えない」という衝撃の事実にぶち当たります。まあ首都のゲストハウスだし、ホームページも持っているのようなところだから、クレジットは当然使えるだろう、と確認をしていなかったのです。手持ちの200プラ弱に対して、一泊242プラ。「お金が無い!」どう財布をひっくり返してもお金が足りません。そして、時刻はもう21時過ぎ。これから別の宿を探すには遅すぎる時間です。とほほほ。。。
困っている加藤に、Jermyは救いの手を差しのべてくださいました。「いいよ、泊まってきな。」
マザーテレサのような無条件の愛。。。ひたすら感謝、感謝でした。
フロントのホイッツィオーネさんは続けて言いました。「あんたはうちに来た初めての日本人だから。だから、何かの縁だから、泊まらせてあげるよ。これから日本人のお客さんが来るようになるかも知れないしね。日本のみんなに宣伝しておいてね。」
その夜実際に泊まってみると、この宿は実際に申し分なく素晴らしい宿でした。豪華では無いですが、清潔で、静かで、過ごしやすくて、価格を考えると(242プラ=約3,000円)では最高のコストパフォーマンスの宿かと思いました。
翌朝、私は約束しました。「この宿を日本人でいっぱいにします。ハボローネに来る日本人の拠点になるように精一杯宣伝します」。
(ちなみに、その2日後、なんとか現金は調達できて宿代は支払いました☆)
そんなこんなで、この宿には観光客・ビジネスマン問わず、今後、多くの日本人が宿泊する(はず)です。
「おかもちろう」はそんな日本人を含め、すべての宿泊客に、楽しい宿泊体験の一役を担っていただけると思います。
しろうべえさん、そんな感じで「おかもちろう」を使ってしまってごめんなさい(笑)、、
そしてこの記事を読んで下さったみなさま、Jermyは本当にいい宿で、「おかもちろう」も読めますので、ぜひ遊びに来て下さい!
期間:2013/10/1~10/30
場所:ボツワナ
ご依頼主: しろうべえ様
飛脚のボツワナ企画第4段!「クールジャパン」を勝手に浸透させてきます!
紹介するのは京都の地域系コミック雑誌「おかもちろう」(内容は本当にクールで面白いです!)。
ラーメン屋の出前の「おかもち」でマンガを売り歩く超ユニークなマンガ家「しろうべえ」さんプロデュースの雑誌です。
バスの中で、ボートの上で、部族の村で、キリンにサイにシマウマに、みんなにマンガの読み聞かせを行います。
もちろん言語は日本語!ハートフル&ハイテンションで伝えます!
さらにこれは、と思う人物(できれば大統領級のVIP)にマンガを進呈。日ボツ友好をはかります。
クールジャパンはボツワナに受け入れられるのか?結果に注目です!
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